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2023.05.16

電気自動車入門の入門 その7 経路充電は無駄な時間?

当店スタッフブログにご訪問ありがとうございます。
オーダーメイドで作る電気自動車のカーフロアマット専門 はるみ商店です。

前回は経路充電というのは、基礎充電がカバー出来ないロングレンジのドライブを可能にするもので、急速充電器が必要だと書きました。
今回はこの急速充電器の特徴について書いていきたいと思います。

★★その前に電気自動車に搭載されているバッテリーの特性について少し説明します。

現在主流のリチウムイオン電池は大変優秀な電池ではありますが
100%を一気に充電する事は不可能です。

100%超えるような過充電になりますと、発火や破裂の恐れがあります。
これを防ぐためにバッテリーマネジメントシステムが進化してきました。

これはコップに水を入れる時をイメージしていただくと分かり易いかもしれません。

コップの限界ギリギリに水を入れる時、最初は最大の水量を出しますが、
そのままではこぼれてしまう恐れがありますから、最後は少しずつ入る様に蛇口を絞りますよね。

リチウムイオン電池への充電も同じように100%へ近づくと充電スピードを落とすように制御します。
80%を超えるころには最初の半分程度に落ちていくのです。

そして、この限界は大容量バッテリー搭載車よりも40Kwh未満の小容量タイプの方が早く来ます。
(限界が近づいても充電が止まることは有りません、ここが悩ましい所ですね)

★★このバッテリーマネジメントにより、安全性を担保している訳なのです。

閑話休題

それでは今回の本題に戻ります。

急速充電器は今の日本国内にでは、大きく2種類に分かれます。
(設置個所の数で言えば大きく差がありますが…)

一つはCHAdeMO、もう一つがテスラスーパーチャージャーです。

まず、CHAdeMOから説明します。

CHAdeMOは日本の企業が協力して作ったCHAdeMO協議会が策定した充電規格の一つです。
この規格は全世界に向けて作られており日本だけではない日本発の規格です。
初代リーフが出来る前から策定され、常に進化をしているのですね。

この規格に準拠した電気自動車関連機器もすでに50種類以上になっていて充電規格として日本では一大勢力になっています。
(CCS (Combined Charging System)が欧米では主流になっていますが、CHAdeMO方式も設置されています。)

色々と設計されてから時間が経っていますので問題点も指摘されていますが
現状では高出力化など改善されてきており、間違いなく日本の経路充電の主力です。

さて、そんなCHAdeMO急速充電器ですが
最大出力が機種によって違うのはご存じでしょうか。
(ヘビーユーザーであれば当然の知識かも知れませんが、これはあくまで入門編ですのでご容赦下さい_(_^_)_)

一般的には次のような3種類になります。

1,20Kw級充電器
2,44~50Kw級充電器
3,90~150Kw級充電器(新電元SDQC2F150シリーズ|150kW EV急速充電器

※実際に150Kwを使える時間はコネクターと空冷式ケーブルの性能上、連続充電時間は制限されてしまいます。
※大半の電気自動車のバッテリーは400Vですので最大200Aの充電器の場合、80kwの出力となります。

※最近ではEMP(イーモビリティパワー社)が200Kwで6口のタイプを高速道路SAへ設置が進めています。
※ただ、このタイプは200Kwがそのまま出せるわけではないので注意が必要です。その他の問題点もありますがリンク先をご覧ください。
※とは言え同時に6台が充電できるという事で充電渋滞の緩和に寄与していくでしょう。

というように3種類が混在しているため現状の従時間制料金体系ですと
同じ時間で入る電力に大きな差が出てしまいます。

ご自身の車に搭載されている電池の容量や残りのSOC(充電量)、車の受入れ可能電力(30~150Kwと差があります)によっても
使うべき充電器は変わってしまう事をご理解いただき最適な急速充電器を使用する事をお勧めします。
(ギリギリの場合は仕方ないですが)

ちょっと小難しい書き方になってしまいました。
CHAdeMO急速充電で覚えていただきたい事を箇条書きでまとめてみましょう。

1,急速充電は従量課金ではなく従時間課金である事
2,急速充電はガソリンのように一定の出力では充電されないという事(バッテリー容量、バッテリー残量、バッテリー温度で変わる)
3,充電出力は車の受電能力に依存するという事(例えばアリアなら130Kwまで受け入れますが、サクラは30Kwまでしか受け付けません)

例として
サクラで90Kw級を使っても最大30Kwしか入りません。
また、残りSOCが50%を超えると30Kwすら受け付けません、顕著に落ち込んでいきます。

今の仕組みは充電時間だけで料金が決まりますから、100%を目指して粘ったとしても
SOC80%を超えた辺りで止めないと大変コスパが悪くなってしまうのです。
PHEVもこれに近い物がありますね。

もう一つ、90Kw級の急速充電器で2口に対応する物もありますが、これは同時に90Kwを2台に供給できる訳ではなく
2台にシェアします、つまり45Kwずつになってしまいます。
アリアの隣に90Kwを受けられないサクラや40kwh未満リーフが充電するとアリアにとってはちょっと悲しい事になりますね。
アリアが90Kw充電の恩恵を受けられなくなりますから。

サクラやリーフ(70Kwを受け入れられるe+は除きますよ)は
意識して44~50Kw級を使う事で円滑な充電が出来るという事になります。
なぜなら、サクラやリーフにとっては全く充電量に変化は有りませんが、アリアには大きく影響が出てしまうからです。

なんだかメンドクサイ感じになってますが、慣れてくると何処でどのタイミングで充電する事が正解に近いのかが
直感的に分かるようになるのが面白いですよ。

また、長くなってしまいました。
テスラスーパーチャージャーについてと急速充電時の注意点については次回以降に回したいと思います。

ではまた。